Beat46・WEBドラム教室/レッスンレポート[lr011-03]

【『上達』の意味-03-】


[筆者の経験と、レッスンを通じて生徒さん達を見つめて来た上でと、両面からの解説をします]

 前号の続きです。
 私がメジャーデビューをした時の話を少ししましょう。
CDを発売するにあたり、レコーディングをしたわけですが、当然こういう場合、「サウンドプロデューサー」を立てます。
当時は、レベッカの土橋さんにサウンドプロデュースをして頂きました。
原則的には、土橋さんのアイデア、指示によって、作られていくことが大半でしたが、土橋さんは、バンドとしてどうしたいか、どっちが良いか、ということをとても尊重してくださったし、個々の演奏パターンにしても、極力それを活かす選択をしてくださいました。
それは、私たちバンドが、バンドとしての意見や考えを持っていた、ということでもあるし、逆に私たちも、土橋さんのアドバイスやプロデュースの在り方を学ぼうとしました。
だって、その先、ずっと土橋さんにプロデュースして頂けるわけではないし、土橋さんのバンドではないからです。
 学業であれ仕事であれ、最初は教えを乞うものです。
しかし、その先はそれを元に実践し、自分の考えや、自分で見つけ出したアイデアを取り入れてやっていくものですよね?
自分の楽器の演奏にせよ、バンドのアンサンブルにせよ、自分で研究して考えて、カッコいいから取り入れたい、となった時に、「これをやるには、バンドとして、メンバー個々として、足りない部分があるからすぐには再現出来ないが、チャレンジしよう。」という、自分自身やバンドの力量を見つめ直し、向上していこうという、「物差し」と「熱意」が生まれるわけです。
 自分たちのバンドなのだから、自分たちで考え、形作って行く。
メンバーの誰か一人がやれば良いのではない。
リードする人間が一人居たとしても、皆が、その人間の言うことを理解し、意見も言えるように、メンバー全員が、知っておくべきこと、理解しておくべきことはクリアにしていなければなりません。
バンドというのは、メンバー間に意識の高さの差があった場合、結果として、一番意識の低い人のレベルになってしまいます。
水が、高いところから低いところに流れるのと一緒です。
 では逆に、一番意識の高い人に合わせようとするならば、ポンプで水を汲み上げる、という明確な働き=意志が必要になります。
意識や、レベルそのものに差があっても、より高い方向へ、メンバー皆が足並みを揃える。
そして、取り組みの甘いメンバー、足並みを揃えないメンバーは諫める、ということをしなくてはなりません。
要は、その勇気がありますか? ということですね。
 次回に続きます。

2019年12月28日発行第0809号掲載

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