Beat46・WEBドラム教室/レッスンレポート[lr004-03]

【大きくとって細かくうたう-03-】

 前号からの続きです。
 音を出す部分(手=スティック、足)の動きの組み合わせだけを追いかけるとは、すなはち、出す音のひとつひとつの間隔=長さを意識することであり、これだけでもある程度まとまりのある演奏というか、さほどは狂わない程度のテンポキープ、リズムキープは出来ると思います。
しかし、人間ですから、その音の間隔ひとつひとつを均等に出そうと思っても誤差が出ますし、その誤差に寄り、1拍の長さもバラツキが生まれる。
また、細かい音の長さひとつひとつを追いかけていると、大きなリズムのうねりのようなものは出せません。
演奏を聴いているリスナーからすれば、大きなうねり、つまり1拍の長さ=テンポを身体で感じながら、細かい音は耳で聴く、ということになるから、やはりまず、そのテンポの気持ちよさがあってこその細かい音符の並び、ということになるのではないかと思います。
 演奏するにはまず、テンポ=1拍の長さ(速さ)を決め、それにより、細かい音符の長さ(速さ)が決まるのだから、そのテンポはなるべく正確にキープし、不正確さによる誤差は、1拍の中の細かい音符の中でのバラツキに留めたい、というのが理想です。
 1本のカステラがあるとします。これを4等分するときに皆さんはどのように切りますか?
まず半分に切って、その半分をさらに半分にすると思います。
いきなり1/4のサイズを切ろうとはしない筈。また、半分に切る、半分をさらに半分に切るという中に誤差が生じても、1本の長さは変わることがない。
 演奏のプロセスもこれと同じと考えれば良いと思います。
もちろん誰しも、テンポをキープして演奏しようとする筈ですが、手足の動きの色々なコンビネーションをやるうちに、いつのまにか動かす順序や組み合わせの方に意識の大半を使ってしまう、ということです。
 表題の「大きくとって細かくうたう」の、「大きくとって」というのが首を振るという動作であり、「細かくうたう」というのが、叩くべき(キックすべき)細かい音符を口で言うことです。
 また、実際には叩かない、音と音の間の部分をも含めて口で言えれば、尚良い。
つまり、演奏に於けるテンポキープ、リズムキープは「大きくとって」且つ「細かくうたう」の二段構えである、ということです。
どちらが抜けても、結果的に安定した演奏をするのは難しい。
大きくとるだけで、細かくうたうが抜けても、テンポにバラツキが生まれるのは、特にスローテンポの場合には明確にわかると思います。
それがわかるから、細かい手足の動きを追いかけたくなるわけですが、ある程度、自分の物になったリズムパターンやフィルインについては、首を振って「大きくとる」という動作を加えてトライしてみましょう。
首を振ることに意識を使っても出来るフレーズならば、本当の意味で自分の物になった、と言えるでしょう。
 次回、今回の内容に関連して、練習法をひとつ紹介します。
2012年06月02日発行第414号掲載

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