Beat46・WEBドラム教室/レッスンレポート[lr002-02]

【フレーズの規則性-02-】

 前号の続きです。
 16分音符のフレーズの規則性に於いての定義を再度まとめると、
「16分音符5つをワンセットとするフレーズを並べて行くと、1拍ごとの形は5種類現れ、よって5拍で完結し、5小節で完結する。」
ということ。
 この法則は、さしあたり、3つ、5つ、7つ、9つをワンセットとするフレーズに適用されることは筆者が確かめました。
 恐らく、4の倍数ではないすべての数字にあてはまると思われますが、きっちり確かめてはいません。とても数学的な発想に偏ってしまって、法則がわかったからといって、実際の演奏に使えるのか?、という疑問も生まれて来るからです。
 数字が大きくなり過ぎると、たとえ規則的に並んでいるフレーズであっても、とりとめのない音の並びとして聞こえてしまうのではないかと思います。
 規則的であるのに、規則的に聞こえなければ、あんまり意味がない。不規則に聞こえるものならば、演奏する人の心の中から自然と湧き上がってきたものを表現する方が音楽的だと思う。
 数の法則を元にして作ったフレーズと言うのはあんまり音楽的とは思えない、というのが筆者の思いです。もちろん、人それぞれの好みがあるから、私の考え方がすべてではありませんが。
 今回の5つがワンセットというフレーズぐらいなら、サイクルが短いので、不規則には聞こえるが、聴き続けることで、ある種の統一感も感じることが出来ると思う。
 だから、身につけて自分のフレーズとすることも出来ると思うし、繰り返し練習して、自分の身体に染み込ませることで、自分の中から湧き出る自然なもの、言葉とすることも出来るでしょう。
 幾何学模様、というのがありますね。何らかの法則というか、秩序でもって模様が作られ、全体としてみると、美しい統一感があったりする。これは、単位とする法則、例えば模様を作り出す単位が小さくて、全体を見渡せるからだと思う。
 音楽を聴くとき、通り過ぎた瞬間の音は、残像のように脳に残り、それが消え去る前に次のフレーズが続くと、統一感や規則性を感じ取れるが、セットにする音の数が多すぎると、次の区切りが始まる頃には、前に聴いた残像は消えてしまうから、結果、とりとめのない、なんだかわからないものに聞こえてしまうのだと思います。
 それならば、演奏する人の気持ちや、情景描写というもので伝える方が、リスナーの心を打つのではないかと思います。
 ですから、今回のこのフレーズも、最終的には「自分の演奏の上でどう活かすか。」ということが大切ではないかと思います。
 そのためのテクニック、手段のひとつとして今回のフレーズを理解して身につけるという考え方でいいと思います。
 日常会話に於いて、難しい言葉、言い回しを覚え、それを、自分の意志を伝えるために使う、というのと同じと考えればいいのではないでしょうか。

 次回に続きます。
2010年08月21日発行第321号掲載


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