Beat46・WEBドラム教室/レッスンレポート[lr002-03]

【フレーズの規則性-03-】

 前号での規則性ですが、8分音符の場合はどうかというと、「8分音符5つワンセットなら、拍ごとの形は10種類あり(2拍を一塊とすれば5種類)、10拍で完結し、10小節で完結」というふうになります。
 16分音符の2倍の長さが8分音符ですから、16分音符の場合と比べてそれぞれ2倍、と考えればいいでしょう。
 なぜそうなるのか?、と言えば、「2つ、或は4つという、切りのよい数を1拍分とする音符であるから。」というぐらいに考えておけばよいでしょう。ここらへんを考え過ぎると、音楽でなくなってしまいますから。
 さて、ジャズを好んでプレイする人たちが、時折、有名なジャズドラマーのソロ、長いフレーズなどを、そっくりそのままマネしようとするのを見かけます。
 わかりやすい規則性や、基礎的なスティックコントロールの手順だけで作られているものであれば良いのですが、ソロ等は特にプレイヤーの個性や、手クセなども混じっていますから、
「こりゃどうなってるのか、どう叩いてるのかわからん。」
という場合もかなりあるでしょう。
 ジャズドラマーは、メロディや、メロディ楽器のフレーズの音階の変化を、そのままドラムで表現するようなアプローチもありますから、そもそも規則性なんてないことも多いと思います。
 私の考え方としては、そっくりそのままマネなんて出来なくていい、というのが結論です。
 そのフレーズやソロで使われている手順や、コンビネーション、フレーズの規則性を部分的に解析すれば十分、と思います。
 手順、コンビネーション、規則性など、それらの「素材」を、いかに組み合わせるかというのがポイントというか、大切なことであって、そこにこそ、プレイヤーの個性が現れるわけで、その有名なドラマーと同じに出来たからといって「だから何?」としか言えない。
 もちろん、それらの「素材」を自分のものにするためにマネしてみることはいいでしょうが、完コピを目的としなくていいよってことです。
 そっくりそのまま叩けるよりも、そこから生み出した自分なりのフレーズ、ソロの方がよっぽど価値がある。
 そういうふうに創作することの方が、作り出せることの方が、完コピ出来るよりも、ドラマーとしてのレベルは上、と思っていいと思う。
 有名な画家の作品を見て、技法を学ぶことはあっても、その作品そっくりそのままのものを描こうという人はいないでしょう?。まんま描いたら贋作じゃんね(笑)。
 ロックやポップスの場合は、フレーズもわりと整然としているので、完コピもさほど難しくない場合が多いかも知れませんが、それでもやはり、マネすることを通して、さらに自分の引き出し、演奏の幅を広げるところまで取り組んで行って欲しいなと思います。
 要は、そのプレイヤーが、いかなることを、どんな雰囲気を表現しようとして出て来たフレーズなのかを察することがポイントで、それにはやはり、多くの音楽を聴くだけでなく、音楽以外のことに於いても、自分の情緒というものを刺激することの繰り返しが大切かなと思います。泣いたり笑ったり、怒ったりってことが関わって来るのは間違いないと思いますよ。
 それらをバックボーンにして、様々な素材を覚えて練習して自分のものにし、思い通りに音を出せるための基礎練習を欠かさないようにしましょう。
2010年08月28日発行第322号掲載

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