Beat46・WEBドラム教室[17-06]

【16ビートのノリ方-06-】


 今回は、16ビートのノリ方も含め、リズムキープ、テンポキープの総体的な捉え方について述べておきたいと思います。
 演奏をするにあたり、まず決定されるのは、テンポ=4分音符の速さであり、この速さをいかに正確にキープするか、というのは演奏の上での永遠の課題、と言ってもいいでしょう。
そして、エイトビート、16ビートというように、キープする4分音符同士の間を、如何様に細かく刻むか、というところまでが、演奏の上での物差しの目盛りである、と言える。
4分音符の速さだけを合わせるなら、バンドで少し練習を重ねれば、さほど時間を要することはないかもしれない。
しかし、楽器の演奏は、4分音符よりも細かい8分音符や16分音符を奏でるわけで、それらの音1つ1つのタイミングが、合っていなければ気持ちよくはないですよね?
もちろん、全ての楽器がまったく同じリズム、音符で音を出し続けるわけではない。
音を抜いたり、詰め込んだりの組み合わせの連続です。
合うべき所がピッタリ合っていなければならず、それには、「音を出していない部分のタイミングも合っていなければならない。」ということです。
 実際に、楽器の音として出ている部分は、耳でそれを聴き、脳が認識するのは間違いない。
でも、多くの人は、この、音が出ている部分、タイミングしか追っかけないわけです。
1つの音を出し、次の音を出すまでには、ものすごく短い時間ではあるが、必ずプロセス(=通り道)がある。
プロセスとはつまり、ドラムで言うならば、スティックが振り上がるタイミング、そして頂点に上がったタイミングです。
ここが、リズムの流れに沿っていて、演奏するテンポの中で的確なタイミングでない限り、出す音のタイミングも的確にはなりません。
 16ビートを演奏するならば、音を出すタイミング、振り上げ始め=始動のタイミング、頂点まで振り上がった瞬間、これらすべてが1拍=4分音符1個分を4等分した16分音符のいずれかのタイミングでなければダメ、ということ。
しかし、ドラムを叩いている時、これらのポイントでのスティックの動きを、必ず目で確認出来るとは限らない。
だから、前号までに述べたように、口でうたったり、頭の中で想像したりしながらキープをするのです。
そうすることで、音を出すために動かす手足が、自然とその口でうたうリズムや頭の中で描く音に沿って動くようになる。
大きい区切りでテンポをとりながら、その間の細かい音符のタイミングを掴み、その細かい音符のタイミングに寄って、大きい区切りのテンポもキープされる、というように、「互いにキープを助け合う」ということを自分の頭の中や、口でうたう、首を揺らす、という行為で、つまり、「楽器の音として出すのではない方法で」作り出す、ということです。
そして、バンドに於いては、その、音を出さないタイミングまでも共有する、ということです。
 巷によく見られる傾向として、「テンポの速い曲をやりたがる」というのがある。
別に、やるなとは言いませんが(笑)、テンポが速い曲だと、音と音の間のタイミングとか、楽器の細かい音同士のタイミングなどを味わいにくい、チェックしにくい、ということ。
「勢いがあるから、ノリがいいから」というのもわかるけれど、真の意味でのノリの良さ、勢いというのは、テンポが速いということでは必ずしもない、ということです。
バンドとしてのレベルを上げるなら、スローテンポの曲は必須である、ということは覚えておいて頂きたい。
また、より安定した演奏をするために、口でうたったり、頭の中で想像云々・・・ということまでもする必要があると考えるなら、実際に演奏するパターンやフレーズは、ある程度放っておいても、勝手に手足が動く、というレベルまで達していないと使えない、ということです。
出来るかどうかわからないものは、本来やるべきではない、ということですね。
最も、トライして失敗してまたトライして、というのも、経験を積むということでは大切なことですが。
いずれにせよ、近道はない。が、通るべき道は誤らないように。誤らないために、我々教える立場の人間がいるわけです。

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2012年10月20日発行第434号掲載


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