Beat46・WEBドラム教室[16-12]

【16ビートのフィルイン01-12】


 さて、前号の「プレーヤー自身と、リスナーでは聞こえ方、感じ方が違う。」ということについて説明しておきます。
 演奏を聴くリスナーは、出される音そのままを耳で聴くわけで、気持ちよくテンポにノッて身体を動かすことはあっても、「今のフレーズ、どうなってんだ?」などとあまり意識はしないでしょう。(自分でも楽器を演奏する人は別として)
つまり、聞こえてくるままを認識します。
だから、ちょっと不規則な音の並びが出て来た時に、「お!」と思ったりする。
それがスリリングであったり、ドラマチックに感じたりする。
 しかし、聴かせるプレーヤーは、計算があってそのフレーズを演奏する。
たとえアドリブであっても、そこには厳然と「テンポ、リズムのキープ」がなければならない。
ですから、演奏するプレーヤー自身は、リスナーが不規則と感じるフレーズもちゃんと拍ごとの構成を理解していなくてはならず、そこを踏まえて演奏するならば、リスナーのようにスリリングに感じたり、ドラマチックに感じることはない、どこかクールさを保っている、ということです。
 例えば、16分音符を3個づつに分けて、つまり3個づつ違ったパーツを叩くようなフレーズがあります。
これをやると、リスナーからすれば、ちょっとテンポが変わったように思えて、そこにスリリングな感覚や、ドラマチックな感覚を得られるのですが、演奏する当のプレーヤーが、その音の変化のまま意識を持って行かれると、テンポ・リズムのキープから外れてしまいます。
プレーヤーはあくまでも、16分音符4個ごと=1拍ごとの構成を認識して演奏するわけだから結果として、聞こえ方、感じ方は違って来る、ということなのです。
 今回のフィルインの形は、「不規則」とまではいかない、ちょっと拍の区切りをぼやかす程度のものですね。
しかも、拍ごとにシンバルとバスドラムを鳴らすわけですから、まだ易しい方、と捉えてください。
 演奏に於ける表現は自由ですが、いつもいつも拍の区切りがわかりやすいものばかりでは表現も広がらず、悪く言えば、「幼稚な演奏」にもなりかねない。
同じわかりやすい演奏をするのでも、「色々出来るけど敢えてわかりやすく」というのと、「わかりやすいのしかできないから」とでは雲泥の差がありますよね?
 もっとも、フレーズが完全に自分のもになれば、その不規則な感覚の醍醐味を味わいながらも同時にテンポ・リズムのキープは感じ取れている、という状態になれます。
そうなるには、やはり反復練習しかありません。

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2012年11月17日発行第438号掲載


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