Beat46・WEBドラム教室[14-35]

【フィル・インを叩く・16分音符04-03】


 さて今回は、前述までに紹介した、(A)と(B)2通りの意識配分の仕方のうち、(B)の方の形を使うと良いのではないか、というフレーズをひとつ紹介します。
 これは、初心者の人がよくつまずくフレーズです。また、フィルインでもリズムパターンでも使えるものです。
 譜面を見てください。
 F.TとS.Dを同時に4分音符で叩きながら、B.Dを、その両手の音の真ん中(=8分音符のウラ)でキックする形です。(片手でS.Dのみ、或はF.Tのみでもいいが、「両手の音を揃える練習にもなる」のでさしあたり両手を使う。)
 これは完全に「上半身VS.下半身」の戦いになります。初心者には当初、熾烈な戦いとなるだろう(笑)。
 動きを覚える形としては、(B)の、
「先に両手を動かしておき(交互ではなく同時にショット)、後にB.Dを加える。」
という順序でやった方が、わかりやすいかと思います。
 このフレーズを、両手→キック→両手→キック・・・、と音を出す順序(=(A)のやり方)でやると、超スローテンポならば、音はまずまず並べられますが、手も足も連続的な動きにはならず、1回1回止めてしまうと思われます。動きを止めてしまうと、テンポを速くしたときに出来ない。
 連続的に動かしながら、「手と足の動きの関係性」をつかまなくては出来ないフレーズです。
 まず、4分音符を打つ両手の動きですが、
 (1)音と音の真ん中のタイミングでスティックを引き上げるように動かすこと。「1と2と3と4と・・・」の「と」で、スティックが振り上がっていることです。
 そして、この「と」のタイミングでB.Dの音が入れば良いわけです。
 では、このタイミングでB.Dの音を入れるための、キックする足の引き上げのタイミングは?。
 はい、これは右手がS.DないしF.Tをショットする時、ということです。
 つまりこのフレーズでは、「手足の動きが真逆である」こと。これが理解出来れば、勝利は目前だ(笑)
 最初に、両手を4分音符で打ち始めます。メトロノームを使った方がいいでしょう。上記(1)を守りながら打ち続けます。
 この時、B.Dのペダルは打面に付けておく。つまり足は降ろしておく。そして、さあキックするぞ、という直前の両手のショットの時、キックする足のヒザを、スティックを振り下ろす速さと同じに引き上げます。そして、両手が振り上がってくるのと同時に、今度は足はヒザを降ろしてキックする。次にまた両手が振り下ろされて行くのと同時にヒザを引き上げる。そしてまた、手の引き上げと同時にキック・・・。この繰り返しでいいわけです。
 言葉で言えば簡単なようですが、やってみると実はなかなか難しい。初心者の段階では、エイトビートを叩く時や、フィルインでクラッシュシンバルを叩くときなど、「手と足(=キック)は同時に音を出す。同じタイミングで動かす。」ということをまず覚え、それに慣れてしまっているからです。
 最初はきっと、いつのまにか手と足が一緒になってしまうでしょう。
 しかし、コンビネーションというのは、前回にも述べたように、「2つ以上の部位」の動きの関係を言い、特に「その2つの部位がそれぞれ違うタイミングで音を出す場合」のことを言います。
 今回のフレーズは、今後出会うことになるであろう、様々なフレーズのコンビネーションを習得するための、一番最初の関門。と言って良い。
 手については、左右交互に動かすこと(=シングルストローク)はさほど難しくはない筈。
 それに比べて、「上半身と下半身」つまり「手と足を交互に動かすこと」は、最初ちょっとやりずらいわけです。
 神経=意識を左右に分けることは容易いが、上下に分けることは慣れが必要。
 これは日常生活に於いて、手を使うときは手だけしか使わない。足を使うときは足だけ。
 右手で箸、左手は茶碗という具合に、同時に違う動きで使うようなことはあるが、手で何かしながら足も使うようなことはほとんどない。ということからも推測出来ます。
 え?、テレビ観ながら飯食って、足で新聞を引き寄せる?。行儀悪すぎ(笑)
 とにかく、根気よくこのフレーズは練習してください。

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2010年05月01日発行第305号掲載


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