Beat46・WEBドラム教室[14-34]

【フィル・インを叩く・16分音符04-02】


 前回の、上手く出来ない時の方法としての(A)と(B)、この2通りのやりかたについて少し掘り下げてみます。
 今回のフィルインが出来てる人も、今後につながることなので読んでください。
 手足のコンビネーションの関係性についてまず述べます。
 ドラムを叩くのに使う部位は、両手両足合わせて4つあるわけですが、「コンビネーション」というのは、そもそも「2つ以上の部位」の動きの関係を言うことはおわかりかと思います。
 (A)については、右手と右足が同じで、VS.左手との戦い、ということですね。
 これは言い換えれば、「身体の右側VS.左側(左手のみ)」ということ。
 (B)については、右手VS.左手の交戦中に、右足が参戦して右手の側につく、という感じ。
 これは「上半身VS.下半身(右足のみ)」とも言えますが、右手と右足が同じタイミングで音を出すし、両手は交互に動いているので、こう考えるとちょっとややこしいですね。
 VS.とか、戦いとか、なんじゃそりゃ?。と思った人もいるかな?(笑)。
 同じタイミングで音を出すべき者同士は味方、違うタイミングで音を出す者同士は敵とみなします(笑)。
 つまりは、(A)は、
「神経を、身体の右半分と左半分に分け、左右同等か、若しくは上手く動かしにくい方へ若干意識を多めに配分して、動きを覚える。」
ということ。また、あくまでも音を出す順序を追って行くということ。
 対して(B)は、
「神経を、先に動かしている両手=上半身と、後で動かす下半身=右手に分けて、双方同等か、若しくは上手く動かしにくい方へ若干意識を多めに配分して、動きを覚える」
ということ。
 戦う者同士それぞれに、神経を分けて、どう配分するかの違いです。自分自身の分身を、キャラクターとして戦わせるゲームみたいに思ってください。楽しいでしょ?、その方が(笑)。
 初心者にとって(A)の方がわかりやすいというのは、音を出す順序で追って行くからですね。
 スティックワークも、フットワークも、未熟な段階では、やはり音を出す順番通りに動かして覚えて行く方が良いと思います。動きを順番通りに覚えてしまってからテンポを気にする、ということで良い。
 それに、今回のフィルインで言えば、先に両手を動かしていても、右足のキックを入れた瞬間に、「上半身VS.下半身」という感覚にはならず、(A)の「身体の右半分VS.左半分」という感覚になってしまうのではないかと思われます。
 これはスティックワークもフットワークも未熟であるから、という理由でそうなると思う。だったら初めから、(A)でやる方が合理的。
 また、実際の演奏では、右手と右足が同時スタートで始まるのだからわかりやすい。
 では、「(B)はまったくいいことがないじゃないか!」というと、そうではない。
 「(B)でやった方がすぐ出来た」という人もいるとは思うし、この先、もっと複雑なフレーズを覚えるとき、(B)のようなアプローチが有効な場合もあります。
 それに、今回のフィルインで(B)でやるのにも利点はある。
 それは「最初からテンポキープを意識出来る。」ということです。両手をシングルストロークで動かすことから始めるので、その時点でテンポを意識出来る筈です。
 実際に、演奏で今回のフィルインを使った場合、(A)のような感覚や、(B)のような感覚が入り交じったりもするでしょう。
 どちらかでないとダメってことはない。
「動きを覚えるための神経=意識の配分の仕方はひとつではない」
というのが、今回の解説のポイントです。

Copyright (C) 2006-2015 Beat46 All rights reserved.

2010年04月24日発行第304号掲載


[→]次のページ[14-35]
【フィル・インを叩く・16分音符04-03】


[←]前のページに戻る

【フィル・インを叩く・メニュー】

[⇔]WEBドラム教室メニュー


Copyright (C) 2006-2015 Beat46 All rights reserved.
Beat46ドラム教室