Beat46・WEBドラム教室[14-10]

【フィル・インを叩く・8分音符02】


 フィル・インが実際の演奏のどの部分に入るのか、という解説をしてませんでしたね。
 フィル・インは、「曲の場面展開が変わるその変わり目の直前の小節」に入ることが圧倒的に多い。
 具体的には、

 (a)、イントロからAメロ、などへ移る直前。 この場合、イントロの最後の小節でフィル・インを叩く。Bメロからサビなどへ移る場合も同様。この場合はBメロの最後の小節で叩く。
 (b)、例えばAメロで、4小節や8小節単位で、同じ演奏が繰り返される場合に、その繰り返しに入る直前の小節で叩く。
 (c)、曲の演奏に入るきっかけをフィル・インで。(この場合は、フィル・インに入る前に、ドラマーは、テンポを決めて身体の一部でキープしておいて叩くことが必要ですね)。もしくは、曲の最後の最後で叩く。このときはたいがい、フィル・インの次の小節で「ジャ〜ン」って皆で合わせて曲を終わらせたり、あるいはドラムのフィル・インの最後の音のタイミングですべての楽器の音をビシッと切って終わらせたりする。だいたいこのような形でフィル・インを叩くことが多いですね。
 いずれも、1小節まるまるフィル・インで埋めることもあれば、3、4拍目だけ、とか4拍目だけ、とか、曲によって様々です。まったく違う箇所で叩く事もある。

 さて今回のバリエーションは、S.D→H.T→L.T→F.Tという順に「ひとつづつ」叩いていく形です。パーツの数は4つですから、1打づつすれば2拍分にしかならないので2回繰り返して1小節分にします。S.DとL.Tが右手、H.TとF.Tが左手、になります。
 2拍目から3拍目にかけての、右手L.T→S.D、左手F.T→H.Tの移動がちょっとやりにくいかと思います。
 2拍目でL.Tを打った右手を、次の左手が振り下ろされていく過程で手前に(つまり自分の身体の方へ)少し引寄せるように斜めに振り上げ、次にF.Tを叩いた左手は、斜め左上の方角へ、つまり、次に左手で叩くH.Tの真上の方へと引き上げる。
 このとき、すぐ次に右手でS.Dを叩かなくてはなりませんから、左手は出来るだけ速く引き上げる必要がある。しかも真上ではなく、斜め左上=H.Tの真上にです。
 遅れるとスティック同士がぶつかったり、右手のS.Dの音が遅れたりする。
 テンポが速くなる程、この移動はきつくなります。さらにもし、右手がL.TではなくF.Tを叩くとなると、もっときつい。
 「右利きのセッティングで、直前まで右寄りのパーツを左手で叩いたすぐ後に、右手で左寄りのパーツを叩く移動はかなりやりにくい」のです。特にL.T→H.T、F.T→S.Dという移動パターンですね。
 出来るだけこの移動の形を使わなければいい、あるいは手順を変える方法もあるのですが、時として、フレーズによっては使わざるを得ないので、今回のバリエーションも是非練習していただきたいです。
 それから、右寄りのパーツ(L.TやF.T)を叩く時には上体をしっかりひねって、パーツに対して正面を向くこと。特にF.Tを叩く時は十分に身体をひねることです。
 前のめりはNGだが、ひねりは必須。そして、右寄りから左寄りへの移動の時には、身体を素早く左に向けること。このことが手の移動を助けることにもなるのです。

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2008年10月25日発行第226号掲載

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