Beat46・WEBドラム教室/レッスンレポート[lr011-06]

【『上達』の意味-06-】


[筆者の経験と、レッスンを通じて生徒さん達を見つめて来た上でと、両面からの解説をします]

 前号の続きです。
 プロのバンドの人たちは、前号で述べたような、「バンドの基本的な構成だけでは再現出来ない曲の形」をレコーディングして、作品として作り上げ、必要であればライブでは、作品通りの音を再現するために、サポートミュージシャンを加えて演奏します。
要は、助っ人を加えてやるわけです。当然、お金もかかります。
アマチュアバンドでも、普段メンバーではない誰かを呼んで(加えて)、曲をやることもあるでしょう。それはそれで良い。
ただ、いずれにせよ、自分たちが、曲をどう演奏するか、というようなことを、数年でもバンドをやってきているなら、自分たちで考えてやりなさい、ということです。
 原曲の形にこだわって、上手くいかないよりは、自分たちなりの形にして、気持ちよく演奏出来た方が良い。
その自分たちなりの形がどうか? ということは、何度もそういう経験を積み重ねながら、さらに工夫を、研究をしていけばいいのです。
それには、メンバーそれぞれが、必要な知識は学んでおく。
いろんな曲を聴いて、アレンジのアイデアの引き出しの中身を多く持っておく。
 また、その中で、自分の担当する楽器はどんな演奏をしているのか、自分の楽器の特性、役割、可能性、を常に探究し続けることです。
そのことは、間違いなく、楽器の演奏レベルの向上にも繋がります。
音楽、バンドの楽しみ方は、人それぞれだから、別にそこまでやらなくても良い、というスタンスでやるのも、良いでしょう。それは自由ですから。
深く取り組む、そこそこ浅くやる、どちらでもそれは構いませんが、どれだけやったか、どのようにやったか、という具合に応じて、結果も変わってくる、ということですね。
 そしてその意識の度合いは、バンド内では揃えておくべきでしょう。
そうしないと、メンバー間で、行先、ゴールが違ってくることになります。
こういう話をすると、「自分たちは、プロではないから。」という返事が返ってくることもよくあります。
でもそれは、全く別な話です。
「プロ」と{アマチュア}の違いは、〜お金になるかならないか〜です。
プロが、より深く、より多く、音楽に対しての探究、努力をするのは当たり前。
さらにその結果をお金に出来るのがプロです。
アマチュアでも、より深く、より多く、探究や努力はして良いんです。
出来ないわけではないんですよね、きっと。
やるのがしんどい、ということでしょうか。
それをしんどいと思うか、取り組んで楽しいと思うかは、きっと、「音楽が好き、という、その『好き』の性質が違う。」ということなのでしょう。
結果がお金にならなくても良いのがアマチュアなのだから、言ってみれば、プロよりも思い切って出来る、ということなのです。
そのことによって、「上達」もあるわけですから。
読者の皆さんには、より濃度の濃い、より深い探究をしながら、音楽の楽しさと、取り組む充実を味わって頂きたい、と願います。

(終)

2020年02月01日発行第0812号掲載

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