Beat46・WEBドラム教室/レッスンレポート[lr008-06]

【コンビネーションに於ける身体の使い方-06-】


 前号の続きです。
 前号の解説を受けて、読者の皆さんの中には「手も足も、大きく速く動かせるぜ!」と自負する人も居るでしょう。
もちろん、手足を大きく速く動かしてもコンビネーションが上手く出来るのであれば、それに越したことはありません。
ただ、やはり動きが大きいというのは、手、足それぞれ単体では動かしやすいが、手と足のコンビネーションになると、中々タイミングを合わせづらい。
 大事なことは、自分の手、もしくは足を動かすにあたり、「ここで音を鳴らす。」という意志と、身体に伝わる感触が一致するかどうかです。
手も足も、大きく動かしたとしても、最終的には手首の返しと指の握り、あるいは、足先の蹴り・突きの瞬間に音を出すことにはなりますが、そこに至るまでの、腕による振り下ろし、また、ヒザやカカト、太ももを降ろして行く動きがあると、それも含めてタイミングを測らなくてはならなくなるので、手足の音のタイミングを的確に狙いにくい、ということです。
動きをコンパクト化すれば、少なくとも、音を出すための振り下ろし、蹴りおろしの動きが小さく、要する時間も少ない。
その分、指の握り、足先の蹴り・突きだけを意識出来て、しかもその瞬間に音を鳴らせるので、自分の意図するタイミングで手も足も音を鳴らしやすいハズです。
 加えて、動きがコンパクトであれば、「音量は小さく、テンポは速く。」というコントロールも出来ます。
手足の動きが大きいと、テンポは速く出来ても、音量を抑えることは出来ません。
大きい動きで、音量は小さく、となると、振り下ろし、蹴りおろしのスピードを落とさなくてはならないので、速いテンポでは出来ない、となりますよね?
 速いテンポへの対応と、音量のコントロールの両方をクリアするには、やはり、動きをコンパクト化するのが良いということです。
足=キックの方は、自然とそうしやすいと思いますが、手の方はやはり意識をして特に指でスティックを速く動かせることに取り組んで頂きたいと思います。
コンパクト化した動きでも、音量を上げて行くことは鍛錬次第で出来ます。
握力や、手首の返しのスピードを上げれば、腕を使って振らなくても音量は大きく出来ます。
そのためには、手首と指をとにかく「使う」ことです。使わなければ強化されない。
私のレッスンにおいても、初心者の段階では、腕に頼ってスティックを振る状態でもある程度やむを得ないと見ていますが、生徒さんのレベルアップに伴って、段階的に手首と指を中心としたスティックワークへの移行をアドバイスしています。
様々な演奏パターンや、表現の広がりをもたらすためのアプローチです。

(終わり)

2017年11月04日発行第0697号掲載


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