Beat46・WEBドラム教室/レッスンレポート[lr008-03]

【コンビネーションに於ける身体の使い方-03-】


 前号の続きです。
 足だけなら出来るのに、手足両方の動きだと出来なくなる、ということでした。
そうなると、上手く出来ない原因は手の動きにある、と考えるのが自然でしょう。
この生徒さんの場合、スティックを振る時に、「腕に頼ってしまう。」という傾向があります。
スティックを、手首や指ではなく、腕の振りで動かそうとするわけです。
ここに、コンビネーションが上手く出来ない大きな要因がある、と筆者は考えます。
 手の動きだけを考えると、わりと「間」があるので、どうしても大きく振りたくなる。
タイミングも考えますから、動きが大きい方がその「間」を取りやすいので、尚更、そうなってしまう。
さらに、この生徒さんの場合、ショットした直後にスティックが打面近くで止まらずに上がってしまう、というクセもあります。
もとより、腕を使って振ると、スティックは止めにくいですよね?
腕を使って振れば、音は大きく出せるが、スピードを伴って振ることは難しい。
さらに、腕を使って大きく振ると、その分、意識を多く使うことにもつながります。
そうなると当然、キックのコントロールに意識を多く使えなくなり、結果、キックが上手く出来ない、ということになるわけです。
 さらに加えて述べると、腕を使ってスティックを振ると、自分が狙ったタイミングと、実際に音が出るタイミングもズレやすくなる。
この生徒さんの場合、キックの1つ目の音が手のショットと重なる、ということも多く見られました。
これは、自分が、「ここで音を出す。」というタイミングを正確に認識出来ていないので、手だけでなく、足の方も音を出すタイミングが掴みにくくなる、ということです。
動きと音が、微妙に一致しない、ということですね。
 これを克服するには、「手をコンパクトに振る。」、これに尽きます。
コンパクトに振るには、手首と指を使って振る、ということです。
特に、手足のコンビネーションの場合は、「指」を使う、ということが一番肝心になります。
これは、指を使って振れば、「指をグッと握ったタイミングが音の出るタイミング」とすることが出来るので、動きと音が一致するし、音が出るタイミングをしっかり認識出来ます。
認識出来る、というのは、音が出た瞬間に、身体に何かしらの刺激が伝わるということであり、自分が狙ったタイミングと実際に音の出るタイミングのズレをなくすことが出来ます。
手首と指を使って振れば、腕を使う場合と比べて、音量自体は劣るが、スピードをつけることが出来ます。
まさにこの「スピード」こそが、手足のコンビネーション生命線である、と言えるでしょう。
 次回に続きます。

2017年10月14日発行第0694号掲載


[→]次のページ[lr008-04]【コンビネーションに於ける身体の使い方-04-】

[←]前のページに戻る

[⇔]レッスンレポートメニュー


Copyright (C) 2006 Beat46 All rights reserved.
Beat46ドラム教室