Beat46・WEBドラム教室/番外編
経験からのアドバイス[15-01]

【効率的上達の真意-01-】


 さて、今回は、「効率良く上達する方法」ということについて述べたいと思います。
 この、「効率良く」という言葉は、そもそもどういう意味でしょう?
 「効率良く」とは、物事を行う上で、無駄な時間や出費などを抑える、ということ。そしてそれは、行う人を選ばずにそうなる(出来る)方法、形でもって成すこと。
 結論から言うと、「効率良く上手くなる方法なんてない。」というのが筆者の考えです。
 あ、最初にこう断言しちゃうとこの先を読む気がしなくなりますかね?(笑)。ってことは、そう思った人は「効率良く上達する方法」があると思ってた?。
 誰しも、早く上達したい気持ちはあるでしょう。
 上達が早ければ、様々なフレーズを覚えて、身につけるのも早い。リスクも少なくて済む。
 皆さんの周りにも短期間でメキメキ上達した人がいるかもしれない。どんな練習をしたのか訊きたくなったりもするかも知れませんね。
 でも、仮にその練習方法を知って、その通りにやったとしても、誰もが同じように短期間で上達できるか?、というとそうとは限らない。
 おそらく、その人は、寝る間も惜しんでたくさん練習したか、飲み込みが早かったのか、あるいはドラムを叩く上で必要な筋力(身体の使い方も含めて)を持っていたのか、のいずれかでしょう。つまり、アドバンテージを持っていたか、他人の何倍も練習したかです。
 では、巷にある、基礎練習も含めた様々な内容の解説や教室(もちろん私のメルマガや教室もそうです)は何のためにあるのか?
 それは、わかりやすく言えば、「遠回りしないためのもの」であるのです。
 「遠回りする」とは、どういうことか?。
 それは例えば、誤った奏法をしてしまうとか、理にかなっていない方法を用いている等、本来の上達への道筋から外れてしまう、或は将来的に上達への道筋につながるかもしれないが、もしかしたらそのまま上達への道筋から外れて行ってしまうかもしれない方向へ行こうとしている状態、ということです。
 もちろん、その上達への道筋はたったひとつというわけではないと思う。
 「個々人の特性」というものがあるからで、その個々人の特性に応じての解説、教え方の違いはあるものの、そのそれぞれの道筋に於いて費やすであろう時間(時間に応じて生じる出費も含め)の絶対数、絶対量は変わらない、ということです。
 遠回りしないということは、この絶対数もしくは絶対量に限りなく近づける、もしくはイコールにするということであり、言ってみれば「マイナスを生まないようにする。」ということ。
 その上で、同じ道筋の過程で上達のスピードに個人差が出るとしたら、それは前述の「アドバンテージを持っているか、人より何倍も練習したかどうか」というのが理由となるわけです。(☆注=その人に適していた道筋か否か、とも考えられますが、これについては少し後で述べます)
 遠回りをしないことが、効率を良くすることとイコールではないというのが筆者の意見です。
 効率良く上達するというのは、前述の、「上達へ向かう道筋に於いて費やす時間等の絶対数(量)を少なくして上達を早める、万人に適用出来る方法」ということ。
 そんなものはどこを探してもない、と思います。
 また、楽器の上達に於いては、「遠回りしたことが、結果的にプラスになった。」ということも大いにあります。
そもそも音楽に於いて、あまり効率とかそういうことを考えるべきじゃない、そういうもんじゃない、というふうにも思います。

 次回、著名人の実話も含めてお話します。
 今回のお題は(も)、理屈っぽい内容ですが、まあ、おつきあいください(笑)

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2010年09月04日発行第323号掲載


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