Beat46・WEBドラム教室/番外編
経験からのアドバイス[14-01]

【曲のコピーとタイム感-01-】


 さて今回は、曲のコピーをする時のコツと、注意点を述べます。
 読者の皆さんの中には、コピーバンドをやっている人もいるでしょう。
 また、オリジナル曲をやってるバンドも、デモ音源などをもとに曲を覚えていくこともあると思います。
 曲を覚える手段としては、このように、音を聴いて覚えるという方法の他に、譜面を見て覚えるという方法もありますが、今回は、「音(音源)を聴いて覚える」ということについて述べて行きたいと思います。
 音楽に於いて、「効率」ということは考えるべきではないと思いますが、曲を覚えるということに関しては、少し考えるべきでしょう。
 曲の流れ(構成)、サイズをとにかく早く覚えてしまって、演奏そのものを仕上げて行くことに時間を割くべき、ということですね。
 まず、音源を聴いて最初に行うことは、「曲の流れ=構成」を頭に入れてしまうことです。
 イントロがあって、Aメロ、Bメロ、サビと来て、間奏があり、またAメロが来て・・・など、曲を構成する場面が、曲の中に幾つあって、それがどんな順番で並び、何回出てくるのか、ということをまず覚えてしまう。 例えば、「イントロ→A(メロ)→B→C(サビ)→A→B→C→間奏→ソロ(ギターソロetc.)→D→B→C×2→エンディング」などと書き出してみて、流れを把握します。
 この場合の「D」とは、Aメロ、Bメロ、Cメロ(サビ)のいずれでもない展開のこと。
 間奏をDとして、Dは「E」としてもよい。
 わかりやすい単語、記号を使って展開ごとに名前をつけて並べてみればよいわけです。
 それから今度は、各展開ごとの小節数を数えます。
 多くの曲は、展開のそれぞれが4小節や8小節、16小節、もしくはそれらの倍数の小節数で構成されていることが圧倒的に多い。
 この小節数のことを「サイズ」と呼んだりします。
 コピーバンドにありがちな、ドラマーの曲の覚え方として、「ギターがこう弾いたら次はAメロだ。」とか、「メロディがこう来たら次はサビ。」などという覚え方をしてしまうこと。 つまり、他のパートの演奏を充てにしてしまっている状態。これはダメです。理由はおわかりかと思います。
 それは、充てにしているそのパートがもし間違って弾いたら、充てにしているフレーズと違うものが聞こえて来たら、わからなくなる、ということ。
 ギターやベース等は、「コード進行」という決まり事があり、小節ごとに音の響きというものが指定されていて、使ってはいけない音もあります。
 逆にこれは、小節を区別する目印ともなり、よって、コード進行さえ頭に入っていれば、小節数を間違えない、というメリットもある。それでもやっぱり弾き間違ったり、覚え間違いはある。
 対してドラムは、リズムパターンのキープで同じ動きの繰り返しをすることが全体の80%は占めることが多いことが大半。
 よって、小節数を把握せずに、他のパートの演奏を目印にしていると、もしそのパートがミスったときに自分も展開の移り変わりがわからなくなる、ということです。
 小節数が数えなくてもわかるようにすることを「タイム感を養う」と言います。
 演奏に於ける「タイム」とは、日常我々が使う時分秒が単位ではなく、「小節、拍」が単位です。
 CDなどを聴いて、覚えたつもりなのに、バンドでやってみると「あれ?、わかんなくなった。」というような場合は、小節数が頭に入っていない、或はその小節数を身体で覚えていない=タイム感が養われていない、ということですね。
 CDの音は何度聴いてもいつも同じで間違うことはなく、それを何度か聴くうちに、印象のあるフレーズが聞こえてくることで次の展開を覚え、それで曲の流れを把握したと錯覚してしまうわけです。
 次回に続きます。

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2010年07月31日発行第318号掲載


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