Beat46・WEBドラム教室/番外編
経験からのアドバイス[10-02]

【うたうことの大切さ-02-】


 皆さんは「骨伝導」という言葉を知ってますか?、ヴォーカルのヴォイストレーニングなどでも重要とされているようですが、つまりは、自分の発した声を骨=頭蓋骨に伝えて鳴らし、それを鼓膜に伝えるというもの。
 通常、人が発した声は、口から外へ出るだけでなく、同時に頭蓋骨を伝って鼓膜にも伝わっています。その両方をが合わさったものを自分の声として認識している。だから、自分が出した声の自分自身への聞こえ方と、他者への聞こえ方とでは違うんですよね。
 自分の声を録音したものを聞いたとき、「変な声〜、なんだこれ、こんな声なの!?」と誰もが思うでしょう?、これは、録音された声に、骨を伝わって鼓膜が感知する成分が含まれてないからですね。
 歌を歌うヴォーカリストの場合、この「頭蓋骨に響かせて声を出す」ことは、非常に重要なようです。骨が太く硬い人ほど良いらしい。
 自分の出す声の張り、伸び、強弱、強いては音程までもをまさに身体でしっかり認識出来るからでしょう。口から出た声を、耳の入り口から鼓膜に伝わる成分だけでなく、内部から、つまりは頭蓋骨を経由した成分までもを、しっかり聴き取らなければならない。ということ。
 もっと言えば、ヴォーカリストは腹式呼吸を使うわけだから、声を出す瞬間に腹筋にも力を入れるわけで、そうなると、少なくとも声を出すタイミングや強さなどは、腹筋そのもの、或は、その周辺の骨にも伝わってるのではないか?、と想像できます。
 いや、声は息を吸ってから吐くときに出すんだから、肺だってそうじゃん!?、とも推測出来ます。うんにゃ、足でリズム取りながら声出せば下半身だって!、・・・つまり、声を出すという行為は全身で認識・感じるもの。といっても過言ではないですね。
 『なんだ、ヴォーカルの解説?』と思ったあなた、甘いぞ!(居ないか・笑)
 ドラムのフレーズを口で言うときにも、まさにこの身体で認識する部分がポイントとなります。
 ドラムはヴォーカルと違って、「音程」は気にしなくて良いというのは確かです。
 しかし、あくまでも「音階」を忠実に出せなくてもいい ということであって、音の高低の違いは出せなくてはならない。S.DやH.T、L.T、F.Tの音の高さの違いなどですね。
 また、腹式呼吸云々まで考えなくてもいいですが、「頭蓋骨を響かせて」というのは必要です。声を出した時、「頭蓋骨を響かせよう」と意識して声を出すことです。口元だけで声を出そうとする人は、実際に骨伝導が成されていても、認識できない。
 「意識する」ことがポイント。これだけでほぼ誰しもが出来るはずです。
 ドラムに於いて、まず大切なのはリズムとタイミングですから、骨伝導によって、発声のタイミングを「身体で感じ取る」ことが出来、自分がどういうタイミングで(リズムで)声を出しているかが、耳だけで聴き取るよりも正確に認識出来るということなんです。

 次回、具体的な「うたいかた」を述べます。

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2009年08月22日発行第269号掲載


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